子どもの習い事で、いちばん多いお悩みが「うちの子、長続きしないんです」です。結論からお伝えすると、続くかどうかを決めているのは才能でも根性でもなく、やる気が育つ「順番」だと私たちは考えています。
一般社団法人HOT.D.D.C代表の佐久間駿です。岐阜・愛知・静岡・岡山・群馬で、約470名の子どもたちにダブルダッチを教えています。今回は、スクール全体で共有している一番大事な考え方の話をさせてください。
HOT.D.D.Cが全講師で共有している5つの順番
楽しい → 頑張る → 成長 → 実績 → また楽しい
子どもが伸びていくときは、必ずこの順番で回っています。まず「楽しい」が先にあって、そのあとに「頑張る」が来る。ここがすべての出発点です。
私たちのスクール名HOT.D.D.Cの「HOT」は、Heroes Of Tomorrow——明日のヒーローたち、の頭文字です。ヒーローは、誰かにやらされて強くなったりしません。自分が好きなことに夢中になって、勝手に強くなっていく。だから私たちは、指導の一番はじめに「楽しい」を置いています。
「楽しい」は、努力の反対語ではありません
「楽しさを優先する」と言うと、甘やかしのように聞こえるかもしれません。でも現場で見ている景色は、まったく逆です。
楽しくて仕方ない子は、言われなくても回数をこなします。自分の番が終わっても縄を触っているし、待っている間もステップを踏んでいます。一方、やらされている子は、自分の番が来るまでじっと立っています。
同じ1時間のレッスンです。それでもこの差が毎週積み重なると、半年後にはまったく違う場所にいます。「楽しい」は努力の反対語ではなく、努力の燃料なんです。
ちなみに、スポーツ心理学でも
「なぜ人はその競技を続けたいと思うのか」を扱ったスポーツ・コミットメント・モデルという研究では、楽しさが、続けたい気持ちを予測する最も強い要因とされています。しかも影響は継続だけではなく、楽しさを感じている選手ほど、もっと努力したいと思い、実際に多くの努力を注いだと感じていることも確認されています。
私たちが現場で感じてきたことに、ちゃんと裏づけがあったのは心強いことでした。
順番を守るために、私たちがしていること
HOT.D.D.Cの講師陣は、ここを本当によく考えてくれています。
- 初回から「できた」を必ず持って帰らせる。ダブルダッチは引っかからなければ成功なので、初日でも成功体験をつくれます。体験に来てくれた子が笑顔で帰るのは、講師がその一回のために準備しているからです
- 難しい挑戦の前後に、確実にできることを挟む。挑戦だけが続かないようにメニューを組み立てています
- 子どもの顔を見る。表情が変わった瞬間に声をかけ、必要ならその場でメニューを変えられる。これは経験を積んだ講師ほど上手です
- 実績は4番目に置く。大会は本気で狙いますが、それは楽しさと成長の先にあるもの。入口には置きません
正直に言えば、実績を入口にしたほうが、短期的には結果が出ることもあります。それでも私たちがこの順番を崩さないのは、ダブルダッチをやめたあとの人生のほうが、ずっと長いからです。「やらされて上手くなった」経験より、「好きなことに夢中になって、気づいたらできるようになっていた」経験のほうが、その子の一生を支えると信じています。
ご家庭でできること
お迎えのときの第一声を、ぜひ変えてみてください。
「今日は上手にできた?」ではなく、「今日は何が楽しかった?」。
この一言だけで、子どもが持ち帰る記憶が変わります。上達を聞かれ続けた子は上達を評価軸にしますが、楽しさを聞かれた子は楽しさを探しにいきます。そして楽しさを探しにいく子のほうが、結果的に長く続き、遠くまで伸びていきます。
まとめ
- やる気には順番がある。「楽しい」が先、「頑張る」は後
- 楽しさは努力の反対語ではなく、努力の燃料。楽しい子ほど自分から回数をこなす
- 実績は4番目。入口に置くと順番が壊れる
- お迎えの第一声は「楽しかった?」から
次回は、チームクラスで取り入れている記録用紙で「先週の自分」と勝負するという話を書きます。
ダブルダッチという習い事そのものについては子どもの習い事にダブルダッチで詳しく解説しています。